著者
徳田 功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.112, no.189, 2012-08-20

音声生成は、大きく分けて、声帯振動による音源生成と声道による調音フィルタの二つからなっている.声道の音響特性が線形予測フィルタでよく近似できることから、音声生成は線形システムとして捉えられることが多い.ただし、音源を生成する声帯振動は強い非線形性をもち、条件によっては分数調波、準周期振動、カオス、そして分岐現象などがみられる.通常の音声分析では、音源とフィルタは独立と仮定されているが、歌声などの発声条件では、この独立性が失われ、音源と声道の間に非線形干渉が起こることも知られている.本発表では、音声生成の基礎から始めて、線形理論では説明のつかない音声の非線形現象について概観する.応用として、病理発声、歌声における声区の遷移、生物音響(手長サルの発声)における音源-フィルタ干渉について紹介する.

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CiNii 論文 -  音声生成における非線形振動の基礎と応用 : 病理音、歌声から生物音響まで https://t.co/ZXQq9q6NR0 #CiNii

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