著者
三原 博光
出版者
一般社団法人日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.133-143, 2003-09-30

本論文の目的は、高齢者に行動変容アプローチを適用し、その方法の効果を検証することにある。そこで、在宅で生活する高齢者の被害妄想的表現が問題行動として取り上げられ、治療介入が行われた。その結果、8か月間、治療介入が実地された。面接場面においては一時的に被害妄想的表現が減少したが、治療介入の効果が維持されず、被害妄想的表現が再び増加した。高齢でしかも痴呆性が伴う高齢者の場合、行動変容アプローチの適用も困難になることが本ケースを通して示された。

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