著者
山田 功
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.1207-1212, 2009-09-01

後編では,筆者らが解決に成功した数少ない非凸最適化問題の例として「低階数最小分散擬似不偏推定問題」を紹介する.この問題は,最小二乗推定法(最小分散不偏推定法)やWienerフィルタが抱えている本質的な弱点の解消を狙いとしており,信号処理工学の視点では,極めて自然な定式化になっている.ところが,最適化問題として眺めたとき,非凸制約条件が課せられる「階層構造を持つ非凸最適化問題」に分類され,最適化問題の標準的な解法を適用することはできない.実際にこの問題の解決には数多くの非自明なアイディアを要し,非凸最適化問題の手強わさを垣間見ることもできる.低階数最小分散擬似不偏推定問題の大域的最適解(MV-PURE/確率的MV-PURE)は最小分散不偏推定法やウィーナフィルタの非自然な一般化となっており,今後,新世代のロバストパラメータ推定法として重要な役割を演じていくことが予想される.

言及状況

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最適化と信号処理(後編) : 低階数最小分散擬似不偏推定法(技術解説) http://t.co/zhiIO8D5bm

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