著者
山田 功夫 深尾 良夫 石原 靖 青木 治三
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.21-31, 1989-03-25 (Released:2010-03-11)
参考文献数
9
被引用文献数
3

Since late 1986, we have been operating a three-component set of STS seismometers (STS-1) at Inuyama Observatory, Nagoya University, Japan. This is a preliminary report of the two years observation. The STS-1 seismometer equips with three component BRB (BRoadband Band) outputs and three component LP (Long Period) outputs. The lowpass filtered LP outputs are digitized and recorded continuously at a sampling interval of 10s in a dynamic range of about 120dB. These continuous data have been used so far to determine seismic moment or centroid moment tensor of large Japanese earthquakes. The BRB output is recorded on an event recordering system, where the BRB and LP outputs after an eight-pole analog anti-aliased filtering are digitized and recorded for 50 minutes at sampling intervals of 0.1 and 0.4s, respectively. The dynamic range of this system is limited at present by the A/D converter to about 90dB. The triggered BRB data have been used so far to determine the source time functions of large Japanese earthquakes, which suggest the occurrence of backswing of fault motion. To maintain the horizontal component instruments in a stable condition, a care must be taken for variation of atmospheric pressure. The results of the analyses indicate a unique importance of nearby observation of large earthquakes by broadband, wide dynamic range and high precision seismometers such as the STS instruments.
著者
大井田 徹 山田 功夫 多田 堯 伊藤 潔 杉山 公造 佐々木 嘉三
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.240-247, 1971

In order to study the seismic activity of microearthquakes in the southern part of the Neo Valley fault, an observation was carried out in 1968 from September 27 to November 2. Seven observing stations were set near the four stations of Inuyama Seismological Observatory.<br>About 400 microearthquakes were recorded during this observation, but about 50 epicenters could be determined. Their magnitudes were less than 2.<br>Microearthquakes occurred most frequently in the southwestern side of the fault, especially in the area upheaved by the Nobi earthquake of 1891. On the contrary, very few earthquakes occurred in the northeastern side. The focal depths of these shocks were very shallow.
著者
因田 恭也 坪井 直哉 伊藤 昭男 辻 幸臣 山田 功 七里 守 吉田 幸彦 山田 健二 三輪 田悟 平山 治雄 前田 聰 栗山 康介
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.27, no.Supplement6, pp.54-60, 1995-10-25 (Released:2013-05-24)
参考文献数
6

症例は69歳男性.約2週間の便秘があり,その後1~2分の意識消失発作を頻回に繰り返すため当院に入院した.入院後,咳嗽や嘔吐の後に,意識消失発作を繰り返した.ホルター心電図で発作の時間に一致して洞停止を認めた.洞停止は,時に補充調律を伴わず,最高40秒の心休止を呈した.VVIペースメーカーを植え込んだ.この洞停止の発作は一過性であり,1週間の間に頻回に発作がみられたが,その後は全くみられなくなり,ペースメーカーが作動することもなかった.冠動脈造影では有意狭窄を認めず,スパズムも誘発されなかった.心臓電気生理学的検査では洞機能に異常を認めなかった.頸動脈洞マッサージ,チルトテストにても心拍,血圧に異常な変化を示さなかった.洞停止が頻回にみられた時期の心拍変動は日内リズムが消失しており,高周波成分,低周波成分ともパワーの不規則な乱れを示した.長い洞停止の発作直前の心拍変動は高周波成分,低周波成分ともに徐々にパワーの増大を示した.洞停止の原因として自律神経の異常が関与していたことが推察された.本症例では数週間の経過で一過性に自律神経の異常をきたし,それが補充収縮を伴わない長い洞停止を引き起こしたと考えられた.いわゆる洞機能不全症候群とは異なり,補充調律の抑制されるこのような症例では突然死に至る危険性が高いと考えられた.
著者
末次 大輔 東野 陽子 山田 功夫 深尾 良夫 坪井 誠司 大林 政行 竹内 希 田中 聡 深尾 良夫 坪井 誠司 大林 政行 竹内 希 石原 靖 田中 聡 吉光 淳子
出版者
独立行政法人海洋研究開発機構
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2004

本特定領域研究により得られた海底・陸上地震観測データと既存観測データにより、西太平洋マントル遷移層に滞留するスラブの鮮明なP波、S波速度イメージや相転移面の深さ分布を推定した。その結果、スラブが滞留する前に断裂していること;沈み込むスラブ内部にはプレート生成時の異方性が保存されているが、滞留スラブではそれが見られないこと;滞留スラブの主要部分の温度は周囲より500度低く、水はほとんど含まれていないこと、などが明らかになった。
著者
東山 文 山田 功治 大家 舞 辻口 裕介 星野 奈央 三谷 健太郎 永田 元康
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会 研究発表講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.5, pp.216, 2005

本論文では、負荷分散を考慮した非同期データ複製システムについて提案する。我々が提案するデータ複製のプロトコルは、トランザクションのログの利用および同期周期間隔における特定のレプリカサーバから主コピーサーバへのデータ更新情報の反映によって、特徴付けられる。また、ワークフロー管理機能を採用し、クライアント、ワークフローコントローラおよびサーバから構成される3層構造モデルによってトランザクションのスケジューリングを行い、効率よい処理を目指す。さらに、プロトコルの実装について報告する。
著者
山田 功 木村 富士男
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.151, 2003

<U>はじめに</U><BR>雲の存在は日射の遮蔽や放射を通して大気に影響を与えるため、雲量に関する研究は気象学、気候学にとって非常に重要である。水平スケールの小さな雲であっても大気放射への影響は大きい.しかし,陸上に出現する小さな雲は,大規模な雲に比べ衛星による観測が難しく十分な解析が行われていない。また下層にできる積雲は、地形の影響を強く受けると考えられるが、空間分解能の制限から数値モデルでの取り扱いも難しい.このため観測データを用いて小さな雲の雲量について明らかにすることが重要である。<BR>これまで、晴天日の山岳域を対象とした日照率(一時間のうち日照があった時間の割合)の研究がなされており、日照率は山では午後に急激に低下すること、盆地では一日を通して高いことが指摘されている(木村、1994)。しかしながら平地を対象とした日照率の研究は行われていない。そこで本研究では夏季晴天日の関東平野における日照率について明らかにすることを目的とする。<BR><U>解析方法</U><BR>データはアメダス日照時間の一時間値を用いた。解析に用いた晴天日は、対象領域内のアメダス観測点における一日の日照時間の平均が6時間を超える日とした。また観測点を地形によって沿岸、内陸(平地)、山、及び盆地の4種類に分類し、日照率を比較した。さらにゾンデ観測のデータから相対湿度の鉛直プロファイルと日照率との関係について考察した。<BR><U>結果</U><BR>各観測点における晴天日の平均的な日照率を地形別に平均した(図1)。以前から指摘されていたような山岳域における地形依存性に加え、平坦な地形であっても日照率に有意な差のあることが明らかになった。平坦な地形である沿岸(COAST)と内陸(INLAND)の日照率を比較すると沿岸のほうが一日を通して高い。特に銚子のような岬で高い傾向にあった。<BR> ゾンデ観測データにより輪島と館野の相対湿度について比較したところ、より内陸に位置する館野では下層で相対湿度のピークを持つことが多かった。このことから日照率の差と混合層の発達との関係が推測される。<BR>しかし、沿岸と内陸の日照率の差は山と盆地の日照率の差より小さい。また夕方以降は山沿いで日照率の低下が強く見られた。<BR><U>参考文献</U><BR>木村富士男 1994. 局地風による水蒸気の水平輸送-晴天日における日照時間の地形依存性-. 天気 41:313-320.
著者
山田 功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.53, pp.31-38, 2003-05-09
被引用文献数
1

小文では、まず、"凸関数列の漸近的最小化"を目的とする"適応射影劣勾配法"を提案している。"適応射影劣勾配法の基本定理"(定理1)は、NLMS法,アフィン射影法,射影NLMS法,制約埋埋め込み型NLMS法,適応並列外近似射影法など既存の射影型適応アルゴリズム群を一網打尽に理解する見通しのよい視座を提示しているばかりでなく、"制約付平均近似適応並列射影法",制約付Min-Max近似適応並列射影法","制約埋め込み型適応並列射影法"など複数の閉凸集合への射影の並列計算を基本演算とする多くの新アルゴリズムを導く指導原理となっている。これらの新アルゴリズム群は、本質的な解決が待たれる種々のロバスト適応信号処理問題への応用の中で、重要な役割を担っていくものと予想される。
著者
山田 功 熊谷 敏 廣田 豊彦
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.124, no.9, pp.1827-1833, 2004 (Released:2004-12-01)
参考文献数
13

In order to comply with rapid changes of business environment, companies or organizations continuously modify contexts of their business process. Different data model will be built to support business process to be changed. In this paper, we introduce PCM (Property Centric Modeling) which facilitates data model design in accordance with business process. Context is often appeared in business process as function, persons, facilities, or materials. PCM associates each context with set of properties to build data model from those properties. Resulting data model is flexible enough for the change of context. Specific procedure of the method is illustrated, taking a sensorchip bonding process as example. Comparisons with other methodologies are also presented.
著者
梶川 昌三 山田 功夫 深尾 良夫
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.229-235, 1993-12-14 (Released:2010-03-11)
参考文献数
5

One of the largest different conditions between the nature and laboratory experiment of rock fracturing is strain rate. Conventional experiment at a constant strain rate may not simulate the precursory stage of seismic fracture, where strain rate is so low that any anomalous crustal deformation may occur by consuming the strain energy that has already accumulated rather than one newly supplied from the exterior. In order to simulate such a preseismic stage of the crust, we conducted a “zero strain-rate experiment” using Westary granite as a sample. The granite specimen is loaded at a constant strain-rate mode until stress reaches a level about 90% of the fracture stress. The bulk axial strainis then kept constant by servo-control to observe the time-variations of axial stress, local strains, dilatant strain and AE-activity.Initially the axial stress decays exponentially and then linearly until the sample is finally broken. Axial surface strain shows a different behavior at different locality; strain concentration occurs in the area near the final fault and strain relaxation in the area far from it. Very anomalous behaviors are observed in both the areas just prior to the final break. Some implications of these results are discussed in conjunction with the field observations of crustal deformation before earthquake occurrence.
著者
山田 功夫
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.259-262, 2001-03-25 (Released:2010-03-11)
参考文献数
2
被引用文献数
1 2
著者
山田 功
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.1088-1093, 2009-08-01
被引用文献数
1

現代の信号処理工学では複数の最適化基準を効果的に活用できるかどうかが成否の岐れ目になることが多い.非可微分凸最適化問題や階層構造を持つ凸最適化問題は,複数の最適化基準を柔軟に反映するための自然な問題設定になっている.本稿の前編では,凸最適化問題の古典的なアルゴリズム(射影勾配法)を非拡大写像の不動点理論の視点でとらえ直すことにより,非自明な一般化が可能となり,非可微分凸最適化問題や階層構造を持つ凸最適化問題を解決する二つの基本的な最適化アルゴリズムが導かれることを紹介する.
著者
山田 功
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.1207-1212, 2009-09-01

後編では,筆者らが解決に成功した数少ない非凸最適化問題の例として「低階数最小分散擬似不偏推定問題」を紹介する.この問題は,最小二乗推定法(最小分散不偏推定法)やWienerフィルタが抱えている本質的な弱点の解消を狙いとしており,信号処理工学の視点では,極めて自然な定式化になっている.ところが,最適化問題として眺めたとき,非凸制約条件が課せられる「階層構造を持つ非凸最適化問題」に分類され,最適化問題の標準的な解法を適用することはできない.実際にこの問題の解決には数多くの非自明なアイディアを要し,非凸最適化問題の手強わさを垣間見ることもできる.低階数最小分散擬似不偏推定問題の大域的最適解(MV-PURE/確率的MV-PURE)は最小分散不偏推定法やウィーナフィルタの非自然な一般化となっており,今後,新世代のロバストパラメータ推定法として重要な役割を演じていくことが予想される.
著者
深尾 良夫 ゲラー ロバート 山田 功夫 武尾 実 島崎 邦彦
出版者
東京大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1993

本計画は、世界最大の沈み込み帯である西太平洋域の地球内部構造を解明するために、(1)カムチャッカに新しい高性能地震観測点を建設し、(2)ミクロネシア観測点のバ-ジョンアップを行ない、(3)これまでに得られた記録から地震学的トモグラフィーを行ない従来より鮮明な地球内部イメージを得ること、が目的であった。以下に、成果の概要を報告する。(1)カメンソコエ観測点の建設平成5年度中は観測点建設のための様々な準備(観測システムの構成部品の入手・組立及び調整、相手側研究者との連絡、相手側研究者による観測壕の建設など)を行なった。平成6年度は、建設された観測壕に地震計システムを設置し運転を開始したが、機材の輸送トラブルにより地震計1成分の部品が足りず2成分観測で出発せざるをえなかった。平成7年度にようやく残り1成分も動きだし、現在は順調に稼働を続けている。データは光磁気ディスクの形で送られてきている。(2)ミクロネシア観測点のバ-ジョンアップ平成5年度、ミクロネシア連邦ポナペ観測点において別途予算で高性能地震観測を開始した。この間、ミクロネシアでは全島に光ケーブル電話回線を敷設する工事が進められた、その結果、平成6年度には電話事情が格段に改善され、日本からの電話呼出しによる地震計のシステムコントロールや準オンラインでの主要地震記録の取り込みが可能となった。平成7年度は、観測壕のかぶりを深くし引込用電柱を撤廃してケーブルを埋設化した。ポナペ観測点は計画期間中総じて順調に稼働し良好なデータを得ることができた。地震学的トモグラフィーによる地球内部解明全マントルP波トモグラフィー(平成5年度):Fukao et al.(1992)が行なったよりもデータ数を5倍にして全マントルトモグラフィーを行ない、特に西太平洋全域で「マントル遷移層によどむスラブ」のより鮮明なイメージを得た。一方、1994年のデジタル波形を用いて相関法によってP-PP波到達時刻差を測定し、全マントルP波トモグラフィーで分解能の高い地域ではモデルと測定とがよく一致すること、逆に分解能の低い地域では一致が悪いことを示した。表面波群速度測定(平成6年度):ポナペ島及び父島において西太平洋の最も古い海洋底(160Ma)と最も若い海洋底(`0Ma)のレイリー波群速度を測定し、従来実測された如何なる地域よりも早い群速度及び遅い群速度を得た。コア・マントル境界P波トモグラフィー(平成7年度):グローバルなP波及びPcP波到達時刻データを用いて、コア・マントル境界付近の水平不均質構造を求めた。特に、新しいモデルを提出するよりも用いたデータから確実に抽出できるイメージを明らかにすることに焦点を絞り、東南アジアと中南米の低速度異常と北極域の高速度異常を見いだした。
著者
山田 功
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.288-291, 2006

江戸時代後期,本草学者高木春山が作成した『本草図説』の申にある雪華図(雪の結晶図)を紹介し,考察を加えた。これは土井利位が記した『雪華図説』とほぼ同時代の作品である。また,木版や銅版で刷られたものではなく,紙に筆で描かれた生の顕微鏡スケッチであることも貴重な記録と考える。
著者
村上 岩範 後藤 桂孝 吉澤 明訓 安藤 嘉則 山田 功
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.76, no.765, pp.1093-1099, 2010-05-25

In this research, we propose the driving method of the magnetic material disc by the rotating magnetic field. When the rotating magnetic field is given to the magnetic material disk, the magnetic material disk is magnetized by a phase different from the rotating magnetic field. Therefore, magnetic attractive force acts between the magnetic material disk and the rotating magnetic field. At this time, because force in the vertical direction and radial direction cancelled respectively, only force in the circumferential direction comes to act. The rotating torque is generated by this force in the circumferential direction. Therefore, the magnetic material disc rotates. The purpose of a present article is to clarify the proposed driving principle by doing the magnetic flux density measurement, torque measurement and the torque analysis. Then, this driving principle was clarified to some degree.