著者
西巻 明彦
出版者
日本歯科医史学会
雑誌
日本歯科医史学会会誌 (ISSN:02872919)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.267-272, 2013-11

『平治物語絵巻』は,現存するものが三条殿焼打巻,信西巻,六波羅行幸巻である.この中で,信西巻は,第三段,第四段が詞書が陽明文庫本に近似しているが,絵画は金刀比羅本に近似した描写がなされている.信西の首は,斬首されて後閉口しているが,京大路をわたしている時は開口し,信頼,義朝にのろいをかけている.このことは,口腔が物語の場面を変換させる機能を持って描写されている点が注目される.

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