著者
黄 當時
出版者
佛教大学文学部
雑誌
文学部論集 = Journal of the Faculty of Letters (ISSN:09189416)
巻号頁・発行日
no.98, pp.1-19, 2014-03

『古事記』に因幡の白兎の説話があり、白兎が和邇を欺く場面がある。騙された和邇は兎の皮を剥いだ、と記されているが、事実ではない可能性がある。私たちは、どこまでが事実でどこからが事実でないかを見極めねばならない。さもなければ、解析結果は、当然ながら、信頼度の低いものでしかない。和邇は、適切な海の民の視点を欠いたままでは、正確に解けない。言葉は、文化である。異文化の言葉は、異文化の知識で解かねばならない。小論では、先達の知見を手掛かりに、さらに、海の民が用いたであろう言語や文化の知識を入手することで、私たちの視点を海の民の視点に少しでも近づけ、和邇は大型のカヌー(の関係者)であることを解明することができた。古代の日本語の問題を考えたり、古典を読み解くのに、ポリネシア語の知識や、船舶・航海の知識が役に立つという認識は、やがて常識となるのではないか。因幡の白兎和邇加良奴加良怒異文化接触

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