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日本におけるマーク・トウェインのユーモアの受容 : 『トム・ソーヤの冒険』の翻訳を通して
著者
林 幸子
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要
(
ISSN:13458582
)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.73-78, 2013
佐々木邦は、アメリカのユーモア作家マーク・トウェインの影響を受け、大正から昭和にかけて数多くのユーモア溢れる作品を生み出すと同時に、トウェインの作品の翻訳の第一人者となった。特にいたずら好きのトムを髣髴とさせる太郎を主人公とした『いたづら小僧日記』には、『トム・ソーヤの冒険』と酷似した愉快でおおらかな笑いが頻出している。トウェインも佐々木も読者を楽しませるための娯楽的ユーモアを目指していたためである。しかしながら、トウェインは晩年になるにつれて腐敗した社会や残酷な人間の本質を風刺するようなユーモアに傾倒していく。いわば武器としてのユーモアの提唱であり、その萌芽は『トム・ソーヤの冒険』にも既に表れていた。佐々木はそうしたトウェインのユーモア観の変化を受容できず、佐々木の『トム・ソーヤの冒険』、『ハックルベリー・フィンの冒険』の翻訳からは、攻撃的ユーモアを含む場面が脱落する結果となった。
言及状況
変動(ピーク前後)
変動(月別)
分布
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"結局矛盾と風刺に満ちたハックの世界を描くには至らなかった。その意味で佐々木は…トウェインが後に自伝の中で糾弾した「ただのユーモリスト」…" →日本における、マーク・トウェイン受容について
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