著者
宇野 文重
出版者
尚絅大学
雑誌
尚絅大学研究紀要. A, 人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
no.46, pp.133-151, 2014-03-31

本稿では,明治10(1880)年代の小学校教員が起こした雇用契約に基づく給与支払い請求訴訟を素材に,小学校制度と「村/むら」の関係を教育史的観点も交えつつ分析する。 行政単位としての「村」と旧来の農村共同体(集落)としての「むら」とは必ずしも一致せず,近代的学校制度の導入には困難が伴った。村の指導者層は,幕藩期以来の「むら」の旧慣に依存しつつ,「村」の就学率を上げるために形式的に「村」の小学校を設定するほかなかった。くわえて,教員の雇用契約上の地位に対する認識は曖昧で,教員と「村」との紛争を惹起した。

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こんな論文どうですか? 明治10年代の小学校教員の雇用契約と「むら」 -徳島始審裁判所「小學教員給料催促ノ訴訟」を素材に-(宇野 文重),2014 https://t.co/wxclIdQuIQ

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