著者
井上 真杉 大和田 泰伯 浜口 清 滝沢 賢一 小野 文枝 鈴木 幹雄 三浦 龍
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.37, pp.25-30, 2013-05-09

災害に強い情報通信ネットワークの研究開発促進に寄与するため,分散メッシュ型アーキテクチャをベースとした自営系ワイヤレスネットワークテストベッドを東北大学キャンパス内に構築した.このネットワークは,各ノードが互いに同期して利用者情報や経路情報を保持するデータベース機能を備えた5.6GHz帯無線LANによるメッシュネットワーク,およびそれに付随した利用者端末収容のための2.4GHz帯無線LANアクセスポイントを中心に構成され,基幹網やインターネットへの接続を失われてもローカルに災害時用を中心とした通信サービスを維持する機能とそのアプリケーション群を有する.また、距離の離れたノード間や道路や回線の被災により孤立した地域との通信を確保するための地域WiMAX回線や車載ITS回線,さらに小型無人航空機や衛星回線による中継経路も提供する.利用者端末としては市販のICカード読み取り機能付き無線LAN対応タブレット端末の他,920MHz帯アクティブ無線タグを活用したGPS受信機内蔵小型端末,屋外に設置可能な小型サイネージ端末等を用意している.各ノードへ電力供給が可能なソーラー蓄電池も提供しており,停電時における運用性などの評価も可能である.

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