- 著者
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黒髪 恵
- 出版者
- 日本精神保健看護学会
- 雑誌
- 日本精神保健看護学会誌 (ISSN:09180621)
- 巻号頁・発行日
- vol.22, no.2, pp.21-30, 2013-11-30
本研究の目的は,精神疾患を持つ人の生活の変化の実態と変化のきっかけとなった出来事を統合して退院後地域の中でどのように生活が変化してきたかを明らかにすることである.地域活動支援センターの利用者11名に半構造化面接を実施した.生活の変化のプロセスとして,退院直後は[エネルギーの消耗による活動の抑制]の生活を送るが,エネルギーが回復し主治医の後押しによって[規則正しい生活を試行する]何らかの要因によって生活が不規則になると[疲労・焦りと症状の悪化]し[活動をいったん停止してみる]生活になっていた.その後,[拠りどころのない生活から脱却したいという思いと周囲の後押し]や[自己コントロールできると感じる]ことで再び活動の場を得て[規則正しい生活を施行する]に戻っていた.さらに[過去の体験を意味付けする]や[自己価値を高めようとする]ことで[活動の変化と発展][活動を変化させずに維持する][今の活動をステップアップの途上と捉える]という生活になっていた.