著者
八幡 耕一
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会誌 (ISSN:13406531)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.3-10, 2013-12-15

本稿は,情報文化学の理論的深化を目的に,「ハクティビズム」と呼ばれるサイバー空間を中心に展開される集合的な社会運動を事例として,情報文化空間をめぐる主体間のせめぎ合いについて考察する。その際,フランスの歴史家・思想家であるミシェル・ド・セルトーが論じた,日常的実践にかかる「戦術」の概念をその理論的な枠組みとして援用する。これにより,情報文化空間をめぐる主体間の力学や駆け引き等についてさらなる理解を試みる。本稿の考察は,ハクティビズムがセルトーのいう「戦術」を越えたところにある,アノニマスな情報文化主体による抵抗あるいは対抗の実践として理解可能であること,そして情報文化空間の公益性(とその変質)がハクティビズムと関係することを明らかにする。本稿の考察は同時に,ハクティビズムも含む情報文化空間内での主体間のせめぎ合いをさらに探究していく必要性を提起する。

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8-9頁に拙論「正義はなされよ、世界は滅びよ」への言及がある 八幡耕一氏「ハクティビズムと情報文化空間の公益性に関する考察 : ミシェル・ド・セルトーの「戦術」概念の観点から」情報文化学会誌 http://t.co/s5UtM5Liv6 #CiNii #wikileaks

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