著者
後藤 和久
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.39-46, 2014-03-30

白亜紀/古第三紀境界の大量絶滅は、地球史の中でも有数規模であった。絶滅は、特に光合成生物とそれを直接的な基盤とする生食連鎖に属する生物について顕著であるのに対し、いわゆる腐食連鎖に属していたと考えられる生物は大きな被害を受けていない。また、石灰質の殻を持つ海洋生物の絶滅率が突出して高いという特徴がある。絶滅を引き起こした原因として、直径10kmの小惑星の地球への衝突が引き金となり、その後に発生した複合的な環境変動が考えられる。具体的には、太陽光の遮断による光合成の停止と寒冷化、酸性雨や有毒物質による陸上・海洋の汚染、そして輻射熱による地表面の高温化などが、大量絶滅パターンを説明できる環境変動として挙げられる。今後、生態学的研究により、観測されている絶滅パターンを再現するために必要な環境変動の規模や持続時間を解明することが望まれる。

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そして白亜紀の最後の隕石衝突が恐竜絶滅に繋がった要因の内主な一つが、衝突の影響で太陽光遮断されその被子植物の光合成がによる高エネルギー生産が十分に行われなくなった点があげられているのも面白いですね。 https://t.co/TG1LhrDNGQ

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