著者
甲斐村 美智子 上田 公代
出版者
一般社団法人 日本女性心身医学会
雑誌
女性心身医学
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.412-421, 2014

本研究の目的は,若年女性における月経随伴症状と関連要因がQOLに及ぼす影響について,因果モデルを用いて構造的に明らかにすることである.2012年4月〜12月,熊本市と隣接市の看護系及び非看護系の4年制大学5校に在籍する1,215名の女子学生を対象に,無記名式自記式質問紙調査を実施した.その結果,月経随伴症状を軽減させる要因は肯定的月経観と健康的生活習慣であり,増強させる要因は効果的ではない症状対処行動であった.月経随伴症状はQOLを低下させる要因であり,向上させる要因は健康的生活習慣,自己効力感,ストレス対処行動であった.生活習慣,自己効力感,ストレス対処行動はQOLへ直接関連しているだけでなく,月経随伴症状を介した間接的な関連も示されたことから,月経随伴症状を軽減しQOLを向上させるためには,生活習慣を整えるとともに自己効力感,ストレス対処行動に焦点を当てた支援が有効であることが示唆された.特に生活習慣は月経随伴症状,QOLの両者に直接関連していることから,重要だと考える.

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