著者
坂爪 聡子 川口 章
出版者
日本人口学会
雑誌
人口学研究 (ISSN:03868311)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.1-15, 2007

育児休業制度が出産確率を上昇させるか否かを理論と実証の両面から分析する。育児休業制度を明示的に取り入れたモデルを用いて,育児休業制度が出産確率に与える影響を分析し,プロビット・モデルを用いてそれを検証する。モデル分析から得られる推論と実証分析の結果は,以下の2点において整合的である。第1に,育児休業制度の導入は出産確率を上昇させる。ただし,第2に,通常の労働時間が非常に長い場合は,その効果は小さい。なぜなら,労働時間が長い場合,育児休業制度があっても,女性は出産退職や出産しないことを選択する可能性が高いからである。このことから,育児休業制度の取得率と出生率を上昇させるためには,制度の導入と同時に通常の労働時間を短縮するか,少なくとも育児休業後の労働時間を短縮することが必要であるといえる。

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