著者
神馬 幸一
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.72-78, 2013-09-26

2012年のノーベル経済学賞は「安定配分理論とマーケットデザインの実践」に関する業績に与えられた。ここにおける数学的基礎理論と経済学的実践は,臓器マッチング体制の確立という具体的な成果を導いてきた。生体育移植における多くの事例では,他者に無償で腎臓提供をしたい場合であっても,当事者間における医学的適応性の問題により提供を諦めなければならないことがある。しかし,この臓器マッチング体制により実施される組み直し腎臓交換は,その問題を解消する。すなわち,この仕組みは,医学的適応性に関して問題を有する複数の腎移植当事者を組み換え直すというものである。これは,臓器売買の場合と異なり,無償提供の意思を結び付ける画期的な発想であるとも評価できる。本稿では,この臓器マッチング体制の様々な手順内容を確認した上で,これらの新しい生体間移植医療の手法における倫理的問題を検討する。

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こんな論文どうですか? 組み直し腎臓交換の制度設計に関する生命倫理学的考察(神馬 幸一),2013 https://t.co/V0ch5ydIJL
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