著者
井田 歩美 猪下 光
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.471-478, 2014-07

本研究の目的は,ソーシャルメディア上の発言内容を分析することで乳児をもつ母親の予防接種に対する不安・疑問の詳細を明らかにすることである。研究対象は,株式会社ベネッセコーポレーションが管理する口コミサイトに2011年4月から2012年3月までに書き込まれた乳児をもつ母親の発言42,325件とした。発言内容を「予防接種」に着目して係り受け頻度解析を行った結果,係り先単語には「受ける」「行く」「予約」「予定」という単語が高頻度に出現し,「受ける+ない」「受ける+?」「考える」「悩む」「相談」など困惑している状況を表す単語の出現が目立った。一方,係り元単語には「肺炎球菌」「ヒブ」「インフルエンザ」という具体的なワクチンの種類に関する単語が高頻度に出現した。現在,ワクチンデビューは生後2カ月からとの啓発がなされているが,乳児の母親は我が子に予防接種を受けさせるべきか,受ける場合には何をいつからどの順序で受けるのかなど多くの自己決定を迫られている。その際,母親は同じ月齢の子どもをもつ母親のアドバイスを求め,ソーシャルメディアを利用していることが明らかになった。

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こんな論文どうですか? 乳児をもつ母親の予防接種に関する疑問や不安 : ソーシャルメディアにおける発言のテキストマイニングによる分析(井田 歩美ほか),2014 https://t.co/V0GbrtcEqJ 本研究の目的は,ソーシャルメディア上の…

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