著者
佐野 昌己
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会誌 = Journal of the Japan Information-culture Society (ISSN:13406531)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.88-93, 2006-08-31
参考文献数
17

本稿は,日本製アニメ(以下,日本アニメ)の制作に3次元コンピュータグラフィックス(以下3DCG)技術を持つ人材の育成が重要であることに注目し,次世代の3DCG技術者を生み出す方策を見出すことを目的としている。日本アニメは,国内はもちろん海外から高い評価を得ているだけでなく,有力なビジネスとして政府や経済界からも注目されている。しかし,アニメ産業は深刻な人材難と後継者問題を抱えており,各方面からの期待に応えるどころか自身の改革に迫られているのである。そして,このアニメ産業の諸問題を技術面から変革するのが3DCGであり,今後益々人材が必要となるのである。そこで,本稿において日本アニメの現状を考察し人材不足の要因を示す。そして,3DCGが人材不足という難題を解決するために重要な役割を果たすことができることを明らかにする。さらに,今日の3DCGの普及に大きな影響を与えた日本の商業CG先駆者達が,CG制作に惹きつられた動機を,直接インタビューすることから調査することで,次世代3DCG制作者育成について考察する。

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