- 著者
-
稲葉 洋子
- 出版者
- 社団法人情報科学技術協会
- 雑誌
- 情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
- 巻号頁・発行日
- vol.64, no.9, pp.371-376, 2014-09-01
2015年1月で阪神・淡路大震災発生から丸20年を迎える。被災地に立地する神戸大学附属図書館「震災文庫」は,震災の3ヶ月後に震災関係の資料収集を開始,整理・保存・提供,そしてデジタル化における新しい試みを行いながら,インターネットによる情報提供,情報発信を続けている。その活動は,震災記録アーカイブのモデルとして,2011年の東日本大震災においても被災地の図書館等から注目されているが,被災地の,あるいは被災した人々の復興や地震研究には長い期間を要する。開始から20年を迎える「震災文庫」に関わった経験から,震災記録のアーカイブを継続・活用していくにはどのような考え方が必要なのか考察する。