著者
上垣 豊
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷紀要 (ISSN:02890917)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.45-62, 2014-09-30

20世紀初頭のフランスで、師範学校廃止の是非を巡って論争が行われた。廃止論は、民主的な単線型教育体制をめざす議論と一体となっていたが、同時に、初等教育に対する中等、高等教育のヘゲモニーを確保し、国民統合の強化によって階級対立を抑え込もうとする意図があった。だが、それは教養の水準の向上などによって自信を深め、共同生活を通じて団体精神を強め、さらに階級意識を持つにいたった初等師範学校出身者を先頭にした初等教員から激しい反発を招くことになる。

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