著者
久野 勇太 日下 博幸
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.661-667, 2014

2002~2009年(8年間)の6~9月のアメダス10分値データおよび愛知県・岐阜県の川の防災情報10分間雨量データを用いて,濃尾平野周辺における強雨発生頻度の地理的特性を調査した.熱的局地循環が発達するような条件下での強雨に着目するために,対象期間全日と濃尾平野内で真夏日を記録した午前無降水日の2つの対象日ごとに解析を行った.その結果,以下の傾向が見られた.(1)2つの対象日ともに,10mm/hour以上の1時間降水量を観測した日数は濃尾平野近傍の北~北東の山地で多い.(2)濃尾平野の平均的な強雨日数は,愛知県沿岸部における強雨日数に比べて多い.(3)濃尾平野近傍の北~北東の山地では,15~18時に強雨発生頻度の極大値が存在する.ただし,関東平野とは異なり,濃尾平野の内陸部では時間帯による強雨発生頻度の極大値は見られない.(4)10mm/hour以上の強雨発生日は,強雨の非発生日に比べて濃尾平野周辺の大気が不安定な傾向にある.

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