著者
久米 出 波多野 賢治 中村 匡秀 柴山 悦哉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.37, pp.1-8, 2015-03-05

逆回し (back-in-time) デバッガはプログラムのトレース (実行履歴) を記録して過去の状態の参照を可能する機能を有しており,デバッグに於ける診断のあり方を根本から変える可能性を秘めている.しかしながらその機能を有効に活用するためには,作業者が膨大なトレースの中から適切な実行時点を指定し,その状態の正不正を判定しなければならない.こうした指定や判定は作業者自身のプログラム理解に大きく依存している.オブジェクト指向プログラミングはプログラムの再利用性や拡張性が向上させる反面,コードの理解を困難にする傾向が指摘されている.我々はこうしたオブジェクト指向プログラムに固有な問題を解決するために,外挿診断法 (diagnosis by extrapolation) という手法を提案し,それを実現する逆回しデバッガを開発中である.本手法は指定された時点の実行文脈を,作業者の既知の情報を用いて抽象化する事によって,問題解決を実現する点に最大の特徴を有している.本論文では実用的なプログラムのデバッグ事例を通じて逆回しデバッガが実装すべき機能と手法の有効性の評価方法を考察する.

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