著者
村井 大介
出版者
全国社会科教育学会
雑誌
社会科研究 (ISSN:0289856X)
巻号頁・発行日
no.81, pp.27-38, 2014-11-30

本研究の目的は,ライフストーリーの聴き取りを通して,地理歴史科を担当する教師の歴史教育観(歴史を教える際の教育観)の特徴とその形成要因を明らかにすることである。本研究では,5名の教師のライフストーリーの事例を分析し,他の教師も参照し得る点として以下のことを明らかにした。第一に,各教師の歴史教育観の特徴をかたちづくる基盤には,(1)社会科教育としての一貫性を重視するか否か,(2)歴史教育観を授業に如何に反映させるか,(3)生徒や社会への働きかけをどこまで意識するか,という3つのことがあることを明らかにした。第二に,歴史教育観の形成要因となる重要な選択肢として,(1)出会った生徒たちの状況に応える歴史教育観を形成しようとするか否か,(2)現在の社会事象を意識した歴史教育観を形成しようとするか否か,(3)修得してきた学問の知見を活かした歴史教育観を形成しようとするか否か,(4)自発的に研究会に参加して知見を得るか,(5)学習指導要領の改訂をどのように捉えるか,という5つのことがあることを明らかにした。

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