著者
高村 圭子
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.21-28, 2005-06-10

延慶本『平家物語』の末尾にある建礼門院譚には、女性としての「業障」や、驕りによって国を傾けた平家一門としての「悪業」が繰り返し強調されており、また女院が後白河法皇を「善知識」と呼ぶという特色もある。ここには進んで過去を語り懺悔することによって煩悩から救われるという、謡曲におけるシテとワキのような構造が現れていると考えられる。このような特殊な女院像について、近年注目されるようになった小野小町造型との比較をも視野に入れつつ、作中における役割やその造型を考えていきたい。

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