著者
木村 政樹
出版者
日本近代文学会
雑誌
日本近代文学 (ISSN:05493749)
巻号頁・発行日
vol.90, pp.93-108, 2014-05

本稿は、純文学論争における平野謙の批評を、「アクチュアリティ」という語が文芸雑誌で流通していた歴史的文脈に置き直して考察したものである。純文学論争をきっかけとして、「アクチュアリティ」という語は文芸雑誌において急速に流布してゆく。この言葉は、論争以前から、新日本文学会や記録芸術の会といった文学・芸術運動のなかで、キーワードとして用いられていた。平野はそのことを意識しながら、小説アクチュアリティ説を展開した。こうした平野の一連の批評は、文学・芸術運動の動向に応じた言説戦略として捉えることができる。

言及状況

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この「アクチュアリティ」の奪取は、記録芸術や新日本文学会の硬直に対して、同時期に行っていた連載「昭和十年前後」で評価した久保栄を、図式に収まらない存在として称揚するために行われた。 pdfあり。 https://t.co/ByfpIE2Q9t
CiNii 論文 -  「アクチュアリティ」の時代 : 純文学論争における平野謙 http://t.co/jl37RaXPuX

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