- 著者
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田渕 句美子
- 出版者
- 日本文学協会
- 雑誌
- 日本文学 (ISSN:03869903)
- 巻号頁・発行日
- vol.52, no.7, pp.12-22, 2003
平安期・鎌倉期の女房歌人が、文学上、自らの〈家〉をどのように意識したか、また周囲からその女房歌人と〈家〉がどのように意識されたかを考える。平安期においては、父の〈家〉が多いとは言え、例えば伊勢大輔以下は母系による重代の歌人であり、〈母〉の家への意識が表出され、継承される場合も少なくない。しかし鎌倉期になると、歌人としては、父の〈家〉への意識が圧倒的であり、やがて夫の〈家〉への意識が顕在化されていく。その早い例が阿仏尼である。