著者
森田 雅也
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.21-29, 2003

西鶴の『本朝桜陰比事』(元禄二)巻三の七「銀遣へとは各別の書置」は、従来より目録副題などから、二十五歳までは自由に銀を遣えと遺言した親父の粋な計らいと、その親父の遺言が正しかったことを判じた御前の名裁判官ぶりがこの章の眼目として扱われてきた。しかし、裁判物という趣向をはずし、町人を素材とした、いわゆる町人物として読んだとき、違った新しい読みが提示できるのではなかろうか。本稿では、それを「相続制度」という視点から読み解いていく。

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