- 著者
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吉野 瑞恵
- 出版者
- 日本文学協会
- 雑誌
- 日本文学 (ISSN:03869903)
- 巻号頁・発行日
- vol.49, no.1, pp.11-20, 2000
『蜻蛉日記』は、「国文」の規範たる仮名文で書かれていたため、近世以来明治に至るまで、評価すべき作品とされていた。だが、その「文学性」が評価されていたわけではなかった。大正に入って「自照性」というキーワードが導入されることによって、『蜻蛉日記』の文学史的地位は上昇したものの、この日記は良くも悪くも「女流」文学の王道を歩むこととなったのである。