著者
志立 正知
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.11-22, 2000-02-10

『平家物語』語り本のテクスト形成を、琵琶語りによる成果とする通説が、諸本論の進展によって崩壊した現在、あらためて「語り本とは何か」が問い直されている。本稿では、平家都落記事を対象に、屋代本の再編が空間性を軸になされていることを検証。それが、屋代本自体の叙述には含まれない、延慶本などの情報を前提として、はじめて浮かび上がるところから、自テクストには書かれざる外的情報によって補完された享受・解釈・再編という、非自己完結的なテクストのあり方の可能性を指摘した。

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