- 著者
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伏見 千悦子
澤田 悦子
- 出版者
- 北翔大学
- 雑誌
- 北翔大学北方圏学術情報センター年報 (ISSN:21853096)
- 巻号頁・発行日
- vol.6, pp.137-143, 2014
本稿は,生涯学習に位置づけられる子どもの放課後支援として,平成25(2013)年度に本学内で実施した「障がいのある子ども達の音楽あそび」の活動内容を報告するとともに,参加者のアンケートから,その意義と可能性を探るものである。文部科学省生涯学習政策局は,放課後や週末等に,子どもたちに学習や様々な体験・交流活動の機会を提供する「放課後子供教室」などの教育支援活動を促進し社会全体で子どもを支える方針を打ち出している。しかし,障がいのある子ども達が安心して放課後を過ごせる居場所が十分に確保されているとは言えない。そこで,生理的,心理的,社会的働きにより,心身の癒しや治療,療育にも用いられてきた音楽の特性を有効的に活用し,聴く,歌う,動く,奏する,創るなどの多様な遊びを通して,障がいのある子ども達と参加者が交流を深める機会を提供したいと考えた。毎回の活動は,音楽遊びを中心としたプログラムであるが,造形活動や運動遊び,伝承遊びなどを組み合わせることによって,個性豊かな子ども達のニーズを反映することができたのではないだろうか。また,学生スタッフと活動終了後に反省会を持ち,感想や疑問について話し合うことで情報共有と次回への課題意識を高めることができたと考える。