著者
笹本 正治
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.51-59, 1999

戦国末の様相を伝える軍書である『甲陽軍鑑』には、神のお告げなどがあたる実夢、夢を買ったらその通りになったとする夢買い、はかなく実現しない夢などが、物語の背後に記されている。そして全体として、夢は実現しないとする意識が、夢は神のお告げで実現するとの意識を凌駕している。これはこの時期に広く見られる神仏への怖れの減退と通ずるものであり、ここに夢意識の中世から近世への転換を読みとることができよう。

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"全体として 夢は実現しないとする意識が、夢は神のお告げで実現するとの意識を凌駕""これはこの時期に広く見られる神仏への怖れの減退と通ずるものであり、ここに夢意識の中世から近世への転換" →なるほど

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