著者
寺島 恒世
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.10-19, 1994-07-10

院政期の後、宮廷和歌はいかなる達成を目指したか。生成の<場>に根差して和楽に資する役目を担いつつ、歌はいかに創作詩でありえたのか。その課題を、後鳥羽院と左大臣良経の酬和に発した『仙洞句題五十首』を例に、成立に関わった定家の、作品の<場>に試みた方法を検証することを通して考察した。併せて、その試行が『新古今集』完成に向かう時代に果たした役割を、後の建保期における回顧をも踏まえて検討した。

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