著者
久富木原 玲
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.40, no.12, pp.1-15, 1991

神功、応神神話が八十島祭という即位儀礼をモデルとして成立したことは、すでに阪下圭八、倉塚曄子によって論じられた。阪下は神功皇后像が八十島祭における巫女と乳母の姿を複合したものだと説いたが、皇后と二人三脚の形で活躍する武内大臣もまた、この祭で重要な役割を演ずる宮主を投影する。八十島祭を平安期以降の創始とする説もあるが、神功皇后、武内大臣というこの神話の主人公達の造型という視点からすれば受容し難い。

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