著者
今関 敏子
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.1-11, 1990

定家所伝本『金槐和歌集』は、"叫び"と"崩壊"の緊張の上に、危ういバランスの保たれた世界を構築している。その作品世界の完結が、自己崩壊と表裏一体であったところに、実朝の悲劇性があり、作品の結晶度の高さはある。以上の点を、配列構成、象徴表現、危うい存在基盤を生きた実朝の内的時間から論述する。

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