著者
坪井 秀人
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.22-33, 1990-04-10

前回にひき続き伊藤比呂美『テリトリー論1』('87)について以下の二点を中心に考察した。第一は詩集中ほどに配された「コヨーテ」「悪いおっぱい」他に見られる母系世界とプレ農耕的な始原のイメージについて。「娘」に仮託されたそのカオスへの志向を、制度が刷り込んだ<起源>を相対化するものと捉えた。第二は引用の導入を契機に獲得したミニマリズムの方法について。そこでの言葉の意味のずらし・変容による論理の自由さがモラルからの自由と一体のものになっていることを示した。

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