著者
相馬 庸郎
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.38, no.12, pp.13-23, 1989-12-10

柳田国男の新体詩や初期の詩的散文につき、後年の民俗学の達成点から逆照射して評価しようとする傾向が最近みられるが、それは避けられなければならない。それに対してわたしは、新しい時代における「夕暮情緒」を歌った詩、「清き君」という語に象徴される独自な恋愛詩、近代日本人の持つ故郷意識を歌った詩、近代詩史上「抒情小曲」と言われるものの先蹤になっている小詩などに、初期の柳田が持っていた詩的感性の特徴を見てゆきたいと思う。

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