著者
小川 豊生
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.1-10, 1987

おそらく、表層的な文芸ジャンルの変動に先だって、ことばの分布秩序の解体や詩的言語の基層の変動があったはずだ。それを何よりも敏感に感受したのは当時の歌学という世界においてであったろう。院政期という説話集が多量に産出されてくる時代の背後で、まず一語一語をささえる本説あるいは物語化が精力的に続行されていた事実に、もっと注目すべきであろう。院政期に見られる<本文>という語の内実を検討することによって、それら本説の展開の様相を把握してみたい。

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●小川豊生「院政期の歌学と本説 : 『俊頼髄脳』を起点に(<特集>中世の物語の<場>)」『日本文学』36(2)、1987年。https://t.co/0SqxP8eH7E ●同前「偽書のトポス : 中世における《本》の幻像(<特集><偽書>の中世)」同前、47(7)、1998年。https://t.co/Gv3chThcxN

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