著者
百川 敬仁
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.64-71, 1987

「文学における虚構」という問題を考えるためには、虚構という歴史的概念から吟味してかからねばならない。いま、人間の社会的共同性こそ根源的な虚構であるという観点を採るなら、日本では近世に至って虚構が虚構として露出するという事態がおとずれた。しかし近代天皇制という巨大な虚構の成立がこの危機を隠蔽し、今日に及んでいる。このことを問題としないかぎり、文学的虚構についてもはや語れない段階に私達は来ているのではないだろうか。

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●百川敬仁「近世と虚構」『日本文学』36(3)、1987年。https://t.co/vmzAfYHXVv ●勝原晴希「一八・一九世紀の歌論におけるロマンティシズム:白秋・朔太郎との言説的同一と差異」『日本文学』40(10)、1991年。https://t.co/YVaTfPRwd5

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