著者
野平 慎二
出版者
教育思想史学会
雑誌
近代教育フォーラム (ISSN:09196560)
巻号頁・発行日
no.18, pp.63-72, 2009-09-12

森岡氏の報告は、障害/健常といった二項図式的なカテゴリーの恣意性を指摘し、「他者への欲望」を教育的な倫理と捉えることで、その図式の克服を試みた意欲的な報告である。同時にそこには、構築主義が批判してきた意識哲学的な思考がなお混在している。本稿では、フォーラムでの質疑応答を踏まえながら、森岡氏の報告における「当事者」理解、および「他者への欲望」概念の理解を中心に検討する。そして、森岡氏の議論の前進にとっては、意識哲学から抜けきらないまま二項図式的なカテゴリーの放棄を試みることではなく、構築主義的視点を徹底させることが必要となることを提起したい。

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こんな論文どうですか? 「障害」と「他者への欲望」 : 「教育」の立場からの構築主義の徹底に向けて(司会論文,障害者解放理論から「他者への欲望」へ,フォーラム2)(野平 慎二),2009 https://t.co/vgAkOxqrZ9

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