著者
小野 文生
出版者
教育思想史学会
雑誌
近代教育フォーラム (ISSN:09196560)
巻号頁・発行日
pp.13-32, 2010-10-20

教育目的論は、「何のために、何に向かって教えるのか」という教育の目的・目標を基礎づけ構想する。それは教育学の発生当初から原理的要素であり続けてきた。それゆえにこそ、教育思想史研究が教育学の歴史的出自としての<近代>を批判的考察の対象と定めたとき、教育学の思考様式の相対化作業のなかで教育目的論のあり方-<教育目的論の近代>-も問いに付された。普遍妥当的基礎づけを疑うポストモダニズムも、その動向に関与していたのだろう。本章は、教育思想史学会の前身である「近代教育思想史研究会」の創設期に展開された「教育目的論論争」(特に創刊号と第2号)を取り上げ、提出された問い、反論、疑義、課題、展望などを整理し、際立たせる。教育目的の基礎づけ、近代教育学、教育思想史研究という三幅対が、ポストモダニズムの思潮の只中でどのような照応を見せたか、その痕跡を辿る。そして、その<残照>にある現在にあってなお、教育思想史研究の継承すべき<批判の未来>を展望する。

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