著者
箱山 洋
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.157-167, 2015-07-30

データにモデルを当てはめるとは、観察した自然現象を確率変数で表現し、その確率分布を推定することである。頻度論的な立場からは、自然、もしくは、そのメカニズムを確率モデルとして正しく表現した「真のモデル」が、データを発生させたと考える。未知の真のモデルの確率分布をデータと近似モデルから精度よく推定できれば、結果としてよい予測につながる。本質的に、近似モデルのパラメータ数とデータに含まれる情報量が、確率分布の推定精度を決定する。また、一般に利用できるデータの量は限られている。したがって、与えられたデータに対してパラメータ数の異なる複数のモデルを用意し、最善のモデルを選択すること、すなわち、モデル選択が一つの統計学的な問題となる。ここでは、このようなモデル選択と予測に関する基本的な考え方を、ヒストグラム・モデル、線形回帰モデルを例としながら説明する。

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