著者
橋本 久美 久村 正也 浜上 尚也 飯村 伸孝
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.1145-1154, 2015

大学生の学業怠惰傾向を測定する「なまけ傾向尺度」について,学業面・健康面・認知面との関連より尺度の有効性の検討を行った.大学生205名(男性109名・女性96名,平均年齢19.9±1.3歳)に,「なまけ傾向尺度」,GHQ28,POMS短縮版,「学業生活全般に関する調査」および「不合理な信念尺度」の質問紙調査を行った.Pearsonの相関分析では,「なまけ傾向尺度」3因子と取得単位率,GHQ28,POMSの多くの下位尺度との関連が認められた.取得単位率を従属変数とした重回帰分析では,「なまけ傾向尺度」の先延ばし因子と無気力因子が有意な独立変数となった.共分散構造分析の結果では,単位取得率には無気力因子および先延ばし因子からの直接効果が認められた.本研究では,「なまけ傾向尺度」が単位取得や精神的健康度および認知面と関連をもつことから内容的妥当性が確認され,さらに,なまけ傾向尺度の3因子が相互に関連しあい,単位取得行動を阻害する心理的構造が明らかになった.

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「なまけ傾向尺度」の妥当性に関する研究 : 学業面・健康面・認知面における検討 https://t.co/2CC1TYWtLF

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