著者
伊藤 裕 Hiroshi ITO 鈴鹿大学 Suzuka Universitiy
出版者
鈴鹿大学
雑誌
鈴鹿大学紀要Campana = Suzuka University journal (ISSN:21896984)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.45-62, 2016-03-10

本稿は、法的親子関係の成否をめぐって社会的に注目された裁判事例を素材に、そこでの議論の多くが血縁関係の存否という事実に目を奪われ、法的親子関係の本質を見落としているとの視点から、改めて法的親子関係の市民社会法における本来的意義、機能を確認しておこうとするものである。市民社会法の論理からは、法的親子関係に血縁を無媒介に反映させることは許されず、保護義務の強制を根拠づける契機は自由な意思にこそ求められるべきであることを論じる。

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