著者
長澤 貴 田口 鉄久 Takashi Nagasawa Tetuhisa Taguchi 鈴鹿大学短期大学部 鈴鹿大学短期大学部 Suzuka Junior College Suzuka Junior College
出版者
[鈴鹿大学短期大学部紀要編集委員会]
雑誌
鈴鹿大学短期大学部紀要 = Journal of Suzuka Junior College (ISSN:21896992)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.95-108, 2016-03-10

平成27年4 月より施行された「子ども・子育て支援新制度」により、子ども・子育て支援のあり方が変化しようとしている。平成26 年より著者二人は、それぞれ鈴鹿市(長澤)、津市、亀山市(田口)の「子ども・子育て支援会議」で、各市の子ども・子育て支援計画の策定に携わってきた。3市の「子ども・子育て支援会議」の議論から、教育・保育(保育所・幼稚園、認定こども園)および子育て支援事業(延長保育事業、放課後児童健全育成事業、地域子育て支援拠点事業、一時預かり事業)の現状とこれからについて明らかにしていく。The implementation of "The Comprehensive Support System for Children and Childrearing" in April 2015 changed the methods for supporting child-rearing in Japan. From 2014, the two authors of this article were involved in establishing the guidelines for supporting child-rearing in the city of Suzuka (Nagasawa), Tsu and Kameyama (Taguchi). Based on the discussions of "The Committee for the Implementation of The Comprehensive Support System for Children and Child-rearing" in the above-mentioned cities, this article aims to explain the current situation regarding education and childcare (nursery, kindergarten, centers for early childhood education and care) and child-rearing support (extended-hours childcare, after-school childcare, child-rearing support centers, on-demand childcare) in Japan.
著者
舟橋 宏代 Hiroyo FUNAHASHI 鈴鹿大学 Suzuka Universitiy
出版者
鈴鹿大学
雑誌
鈴鹿大学紀要Campana = Suzuka University journal (ISSN:21896984)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.63-77, 2016-03-10

大学において高次のアクティブラーニングを実現し、学習者が深い学びを得るためには、「話す」「書く」という、言語産出技能が備わっていなければならない。日本語を母語としない外国人学生の場合、「読む」「書く」という受動的な言語技能は大学入学までに習得しているが、言語産出の技能は十分でない場合が多く、入学後の支援が必要である。本稿では、「話す」「書く」技能を習得するための日本語科目について、その教室活動と評価のしくみを概観する。これらは外国人学生の日本語運用能力を向上させるばかりではなく、大学のカリキュラムにおいて企図されるアクティブラーニングへのスキャフォールディングとして位置づけられるものである。
著者
小川 真由子 引田 郁美 Mayuko Ogawa Ikumi Hikita 鈴鹿大学短期大学部 鈴鹿大学短期大学部 Suzuka Junior College Suzuka Junior College
出版者
[鈴鹿大学短期大学部紀要編集委員会]
雑誌
鈴鹿大学短期大学部紀要 = Journal of Suzuka Junior College (ISSN:21896992)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.75-85, 2016

本研究の目的は、短期大学生における性行動および性意識に関する調査を行い、現状と課題を明らかにすることであり、今後の大学における性教育の課題を検討する一助とするものである。短期大学部1年生を対象に性意識と性行動に関する質問紙調査を行った。性交経験率は43.4%であり、妊娠経験については、11 名が「妊娠の経験あり」と答え、そのうち「妊娠中絶をした」と回答したものが4件あり、望まない妊娠を防ぐための性教育の必要性が伺える結果となった。また、「結婚に関係なく、性行為をしてもいい」と答えたのは48%で、性交経験者への質問のうち、「避妊をしなかった」という回答が12%であった。性についての知識を学ぶものとして望ましいと考えているのは、「学校・教師」が最も多く挙げられ、情報源として多く挙げられた「雑誌・漫画」や「テレビ・ビデオ」、「インターネット」は望ましいものとしては考えていないという結果であった。これまで受けた性教育への印象は否定的なものが多く、大学生の教育や指導のニードに応えられるような対策に加えて、性教育の授業構成や教授方法の工夫が必要であると考えられる。結婚願望については、65%が「ある」と回答していたが、それ以上に「将来、子どもが欲しいと考えている」回答が76%と上回り、その多くが複数の子どもを希望していた。今後は将来構想についての人生設計を含めた性教育の実施が望まれる。
著者
伊藤 裕 Hiroshi ITO 鈴鹿大学 Suzuka Universitiy
出版者
鈴鹿大学
雑誌
鈴鹿大学紀要Campana = Suzuka University journal (ISSN:21896984)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.45-62, 2016-03-10

本稿は、法的親子関係の成否をめぐって社会的に注目された裁判事例を素材に、そこでの議論の多くが血縁関係の存否という事実に目を奪われ、法的親子関係の本質を見落としているとの視点から、改めて法的親子関係の市民社会法における本来的意義、機能を確認しておこうとするものである。市民社会法の論理からは、法的親子関係に血縁を無媒介に反映させることは許されず、保護義務の強制を根拠づける契機は自由な意思にこそ求められるべきであることを論じる。
著者
仲 律子 キャリプ マリシェル・チャベス Ritsuko NAKA Marychel Calip 鈴鹿大学 三重県国際交流財団 Suzuka Universitiy Mie International Exchange Foundation
出版者
鈴鹿大学
雑誌
鈴鹿大学紀要Campana = Suzuka University journal (ISSN:21896984)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.169-198, 2016-03-10

ある精神科医から、「フィリピンにつながるこどもの発達検査のアセスメント結果を、日本語がわかりにくい親に説明し、適切な支援に導くことが難しい」という相談を受けた。そこで、精神科を受診した際の受付票、予診票、言語や生育歴などの様々な観点から作成した調査票を、フィリピノ語と英語に訳し、必要に応じて、フィリピン人母から聞き取り調査ができるようなツールを作成した。また、今後は、発達検査や知能検査等の結果を正確にまたわかりやすく説明できるようなツールを作成することを試みたいと考えている。
著者
田中 利佳 一柳 達幸 角田 和代 Rika TANAKA Tatsuyuki ICHIYANAGI Kazuyo KAKUTA 鈴鹿大学 鈴鹿大学 鈴鹿大学 Suzuka Universitiy Suzuka Universitiy Suzuka Universitiy
出版者
鈴鹿大学
雑誌
鈴鹿大学紀要Campana = Suzuka University journal (ISSN:21896984)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.79-92, 2016-03-10

熱気球の運航は、気象の変化に大きく影響を受ける。そのためパイロットは、安全な運航を行うための気象に関する知識と変化を予測する力が必要である。気象の変化をより正確に予測するために必要な知識は、天気図の解読、雲の特徴、地形特有の気象変化などである。さらにパイロットは、見えるもの、感じるもの全てから気象の情報を得る姿勢を持ち、気象の変化を正確に予測するトレーニングを続けることが重要である。不特定多数のゲストを搭乗させる係留は、ロープで地上に固定されていること、活動する時間帯が日中であること、活動が長時間に及ぶことから、自由飛行以上に気象の変化に影響を受ける。したがって、パイロットは、係留を安全に行うために「係留の中止を決定する基準」を持つ必要があり、その基準は、次の1~5であると考えられる。1.風速4m/sec またはパイロット技能の許容範囲を超えているとき2.インフレ時に球皮が暴れクルーが振り回されるとき3.クルーが地上で熱気球を静止させることが不可能なとき4.サーマルの発生もしくは強い上昇気流が発生したとき5.積乱雲の急激な発達が確認されたとき
著者
梅原 頼子 Yoriko Umehara 鈴鹿大学短期大学部 Suzuka Junior College
巻号頁・発行日
vol.36, pp.1-10, 2016-03-10

内臓脂肪の蓄積は、生活習慣病と密接な関連がある。また、内臓脂肪の蓄積は年齢に伴って増加することから、青年期より内臓脂肪を蓄積することは生活習慣病へのリスクが高まるため、早期に発見し、生活習慣の改善に努めることは大切である。そこで、青年期の内臓脂肪蓄積と身体状況および生活習慣の関連について検討を行った。平成27年4月~6月、S大学短期大学部女子学生を対象に、内臓脂肪蓄積、身体状況調査、生活習慣を調べるための食物摂取頻度調査、食意識、運動習慣、睡眠についての調査を実施した。内臓脂肪蓄積と身体状況の関係については相関分析、内臓脂肪蓄積とBMIについては一元配置分散分析、内臓脂肪蓄積と体脂肪率、腹囲、AFI、食意識、睡眠についてはt検定を行った。その結果、内臓脂肪蓄積の推定には、身体状況を指標にできる可能性が示唆された。また、内臓脂肪蓄積と関連のあった生活習慣は、ご飯などの穀類をしっかり食べること、睡眠時間7時間未満であった。したがって、女子学生における内臓脂肪の蓄積を防ぐためには、適切な生活習慣を身につけ、体脂肪率や腹囲の測定を義務付けることが必要であると考えられた。