- 著者
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許 伸江
- 出版者
- 慶應義塾大学出版会
- 雑誌
- 三田商学研究 (ISSN:0544571X)
- 巻号頁・発行日
- vol.48, no.1, pp.265-277, 2005-04
植竹晃久教授退任記念号東京都渋谷区の原宿地域は,最先端のファッション関連情報の収集・発信地として広く知られている。この地域は,竹下通り,表参道,明治通り,裏原宿という複合的なサブクラスターから成り立っている。原宿の産業構成を見ても,アパレル小売業のみならず,トータルファッションを支援する,靴やかばんなどの雑小売業が隣接している。また,ヘアサロンやカフェ・レストランなどの飲食店も存在し,広義のファッション関連クラスターと呼ぶことができるであろう。本稿では,インタビュー調査をベースとして,原宿地域が,文化や流行を発信する地域として独特の雰囲気を持つに至った歴史,中心産業であるアパレル産業のネットワーク構造,および都市型クラスターとしての問題点について考察する。