著者
小川原 正道
出版者
慶應義塾福澤研究センター
雑誌
近代日本研究 (ISSN:09114181)
巻号頁・発行日
no.21, pp.241-276, 2004

柏田盛文の名は、自由党幹事、鹿児島選出の衆議院議員、あるいは教科書疑獄事件で逮捕された新潟県知事、などとして記憶されている。彼については、『自由党史』や鹿児島の政党研究関係の諸文献をはじめ、人名辞典においても、『日本現今人名辞典』(日本現今人名辞典発行所、明治三十三年)から、『明治過去帳新訂』(東京美術、昭和四十六年)、『幕末維新人名事典』(新人物往来社、平成六年〉に至るまで多数紹介されており、その名は、自由党員の中でも比較的著名の位置にある。しかしながらこれまで、柏田についてのまとまった伝記や小伝はなく、川内郷土史編さん委員会編『川内市史』下巻(川内市発行、昭和五十五年)、野村英一「三田の政治家たち」(『塾友』昭和六十三年十月号)、森田美比『茨城県政と歴代知事』(暁印書館、平成三年)などに、ややまとまった経歴の記述がみられるにすぎない。筆者自身も前稿(「自由民権運動と西南戦争」『法学研究』七十七巻四号、平成十六年四月) において、主に西南戦争前後の柏田について論じたが、その人生全体については十分に論じられなかった。彼が自由党の幹部、鹿児島県会議長を経て、衆議院議員や文部次官、さらに各県知事を歴任したことを考えるとき、また近年、これまで研究の遅れが指摘されてきた鹿児島の民権運動研究が、出原政雄氏などによってようやく進展しつつあることに鑑みるとき、柏田の生涯について明らかにすることは、民権運動史上有意義なことだと考えられる。そこで本稿では、右の研究成果をふまえつつ、明治十年に柏田自身が記した「始末書」(「鹿児島征討始末二」国立公文書館蔵、所収)、大久保利夫『衆議院議員候補者列伝』(六法館、明治二十三年)、および衆議院の議事録や新聞各紙などを用いながら、柏田の出生から書生時代、西南戦争、そして国会開設運動を経て自由党幹事となり、やがて衆議院議員から県知事となるまでの思想および行動を論じ、もって自由党幹事柏田盛文の小伝としたい。未熟な一論に過ぎないが、大方の御叱正を仰げれば幸いである。

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こんな論文どうですか? 自由党幹事柏田盛文小伝(小川原 正道),2004 https://t.co/UIlmhdvyft 柏田盛文の名は、自由党幹事、鹿児島選出の衆議院議員、あるいは教科書疑獄事件で逮捕された新潟県知事…
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小川原正道「自由党幹事柏田盛文小伝」(『近代日本研究』21、2004年)は、嘉永4年に鹿児島で生まれ、自由党幹事・衆議院議員・各県知事などを歴任したにもかかわらず伝記がない柏田盛文について、その生涯を明らかにするための小伝である。 https://t.co/4gdpsF9I11
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