- 著者
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盧 濤
- 出版者
- 広島大学外国語教育研究センター
- 雑誌
- 広島外国語教育研究 (ISSN:13470892)
- 巻号頁・発行日
- no.10, pp.209-218, 2007
本稿は、日本人大学生の中国語作文から集めた誤用例に基づき、数詞、助数詞(量詞)及びその複合形式の数量詞(数量構造)に見られる誤用を記述し分析したものである。数詞の問題として、整数の"零"、"一"の欠落と概数を表す"多"及び疑問を表す"几"の誤用を分析した。助数詞については、3つの問題を考察した。まず、指示詞と複合された指量構造における助数詞の問題としては、名詞との共起制限や助数詞の欠落、余剰を検討し、指量構造が名詞を修飾する場合の助詞"的"の余剰を指摘した。それから、動詞"有"と助数詞"个"、"些"が複合された"有个"、"有些"の配置ミスを分析した。さらに、助数詞の"点"の脱落と"个"の誤用に言及し、その統語範疇が移転しつつある事実を指摘した。数量詞の問題に関しては、名詞との共起問題としての"个"の汎用化を指摘し、動詞を修飾する"遍"、"趟"、"次"の使い分けを説明した後で、数量詞の欠落と余剰を取り上げた。それに加えて、数量詞の配置ミスと固定化された"一个"の形容詞的用法に触れた。