著者
濱 森太郎
出版者
三重大学日本語学文学研究室
雑誌
三重大学日本語学文学 (ISSN:09184449)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.47-60, 1993-05-30

「天理本」「画巻本」の間には、二○種類の仮名字母の変更がある。しかも、この二○種類の仮名字母の変更には、書き安く読み安い字母を選び、その限られた仮名字母を集中的に用いる用字意識が、認められる。この変更によって、芭蕉は複数の汎用文字の拮抗状態を解消すると共に、汎用文字の性格を失った字母を機能上限定し、特殊化したのである。

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