著者
長谷川 孝治
出版者
信州大学人文学部
雑誌
人文科学論集 人間情報学科編 (ISSN:13422782)
巻号頁・発行日
no.42, pp.53-65, 2008-03

本研究では、抑うつ者における下方螺旋過程が低自尊心者についても同様に見られるかどうかを検討することである。抑うつ傾向の高い人は、対人関係の中で自己価値に対する不安を感じたとき、他者が本当に自分のことを大切に思ってくれているかどうかを恋人や友人といった重要他者に対して繰り返し確認するという安心さがし行動をとるとされる。安心さがしの規定因に関する先行研究から考えると、同様の行動が低自尊心者についても見られると予測された。大学生に對するパネル調査の結果、低自尊心者が親密な同性の友人に対して安心さがしを行うほど、その友人から拒絶されているという認知が高まる(肯定的に評価されているという認知が低下する)ことが示された。さらに、安心さがし行動の規定因に関する検討の結果、大学生活に特有にネガティブ・ライフイベントを多く経験しているほど、安心さがしを行う意図が高まり、実際に安心さがしを行う傾向が強くなることが示された。これらの知見に関して、反映的自己評価の機能の観点から考察された。

言及状況

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「自尊心と安心さがしが他者からの拒絶認知に及ぼす影響」を探している。

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