著者
福原 慎一郎 川村 憲彦 角田 洋一 今津 哲央 原 恒男 山口 誓司
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.829-831, 2007-11

33歳男性。患者は血尿および失神を主訴に近医を受診, 救急入院となり, 膀胱鏡にて球部尿道に出血を伴うびらんを認め, 精査加療目的に著者らの施設へ紹介入院となった。静脈性腎盂造影・腹部CTおよび生検では異常所見は認められず, 陰茎MRIにて外因性による尿道損傷が疑われた。一方, 失神の原因検索を行うも明らかな異常所見は認めず, 入院後も尿道よりの出血を伴う失神発作を繰り返した。失神する場所が常に個室トイレであること, バルーンカテーテル留置中は尿道出血だけでなく失神発作も起こさないこと, 明らかな原因疾患がないことより, 自慰行為を含めた自傷行為が強く疑われた。確定診断には至らなかったが, 繰り返す出血に対し対症療法にて経過観察を行ったところ, 偶然ウエストポーチの中より血液の付着した塗り箸がみつかり, これによる自傷行為と判明した。精神科による検査の結果, ミュンヒハウゼン症候群の診断に至り, 患者は精神病院へ転院となった。A 33-year-old man presented with urethral bleeding and syncope. Urethroscopy revealed erosive lesion with bleeding at bulbar urethra. Magnetic resonance imaging, biopsy, and blood examination were performed, but the cause of urethral bleeding was not identified. By accident, chopsticks with blood ware detected in his ward. It was revealed that urethral bleeding was caused by self-mutilation with chopsticks. He consulted a psychiatrist, and was diagnosed with 'munchausen's syndrome'.

言及状況

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フィーバー國松の本読んでたら「診断に苦慮したミュンヒハウゼン症候群患者の尿道自傷の1例」 https://t.co/nf7XoLFfGE がでてきた。繰り返す血尿・失神が主訴で、陰茎損傷はあるものの失神につながる器質的異常がなく、バルーンカテーテル留置中は発作を起こさない。血液のついた割箸がでてきて診断。 https://t.co/BZYN49jSit
こんな論文どうですか? 診断に苦慮したミュンヒハウゼン症候群患者の尿道自傷の1例(福原 慎一郎ほか),2007 https://t.co/bTEswq1HZu

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