著者
西本 裕輝 Nishimoto Hiroki
出版者
琉球大学法文学部
雑誌
人間科学 (ISSN:13434896)
巻号頁・発行日
no.2, pp.61-76, 1998-09

本研究は、家庭環境と進路選択の関連を検討することを通して、学校の持つ再生産機能を浮き彫りにすることを目的とする。沖縄の高校生を対象とした計4回にわたる調査で得られたデータを分析した結果、主に次のことが明らかになった。(1)家庭環境と進路選択は大きく関連しており、格差が存在する。(2)その格差は学校により平準化されるどころか、より広げられている上の(1)は重回帰分析の結果、家庭環境から進路選択への直接効果が見出されたことによる。また(2)は、パス解析で家庭環境から進路選択への直接効果「家庭環境→進路選択」と、家庭環境から学校を媒体として進路選択に影響を与える間接効果「家庭環境→学校→進路選択」の双方が見出されたことによる。いずれにせよ、こうした結果が見出されるのは明らかに「学校による教育の平等化」の失敗であり、近年他県、あるいは欧米において指摘されてきている問題である。さらに沖縄の場合は経済的格差とあいまって、状況はより深刻と言える。

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こんな論文どうですか? 沖縄県における高校生の進路選択と家庭環境の関連性--学校の再生産機能に着目して(西本 裕輝ほか),1998 https://t.co/DMgp3gGzOb
こんな論文どうですか? 沖縄県における高校生の進路選択と家庭環境の関連性--学校の再生産機能に着目して(西本 裕輝ほか),1998 https://t.co/DMgp3gGzOb

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